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2020年4月7日、8日、9日
MEC e-school講座
内科 9(続き)
内科 10
内科 11
勉強時間:280分(30分、125分、125分)

循環器同様、生理学の視点をメインに、解剖的な見方もできるようにしましょう!
講義の内容
勉強内容
CBT対策講義の今回の内容一覧
メインテーマは「呼吸器」
- 気管、肺、肺胞
- 呼吸
- 喘鳴、呼吸不全
- 呼吸器感染症
- 閉塞性障害
- 拘束性障害
- 肺循環障害
- 免疫学的機序による肺疾患
- 肺癌
- 異常呼吸
- 気管支拡張症とその他肺疾患
- 胸膜・縦隔疾患

聞いたことのある疾患が結構出てきます。
ひとつひとつ整理していく気持ちで臨みましょう。
覚えるべき内容
・気道
・気管→主気管支→葉気管支→区域気管支
→細気管支→終末細気管支→呼吸細気管支→肺胞
・軟骨に覆われているのは区域気管支まで
・杯細胞があるのは細気管支の途中まで
・線毛があるのは呼吸細気管支の途中まで
・肺
・二重の胸膜に覆われている。
・胸膜の間の空間を胸膜腔といい、常に陰圧→肺を膨らませている
・肺を栄養するのは気管支動脈
・肺胞
・Ⅰ型肺胞上皮細胞…ガス交換
・Ⅱ型肺胞上皮細胞…肺サーファクタント分泌
・吸気
・横隔膜が下がる→胸腔内圧が下がり肺が膨張→空気が入ってくる(受動運動)
・呼吸
・3要素→換気、血流、拡散
・PaO₂(動脈血酸素分圧)…正常値:100Torr(room air)
・FIO₂(吸入気酸素濃度)…room air:0.2、純酸素:1
・P/F比(PaO₂/FIO₂)…正常値:500前後
・PaCO₂(動脈血二酸化炭素分圧)…換気量にのみ影響を受ける
・気道と肺の防御機構
・免疫学的…マクロファージ、IgA
・非免疫学的…線毛運動、粘液腺、杯細胞
・診断と検査
・シルエットサイン…腫瘤と心臓が離れているかどうか
・気管支鏡…咽頭に麻酔、バイタルチェック、X線併用
・気管支肺胞洗浄(BAL)…内視鏡先端から生理食塩水を流してその後回収
→回収した液=BALF
→成分分析で診断に利用
・喀痰検査…肺炎の起炎菌、悪性腫瘍細胞の証明
・喘鳴…呼吸に伴う異常音
・吸気性喘鳴→上気道閉塞
・呼気性喘鳴→下気道閉塞
・呼吸不全(PaO₂≦60Torr)
・原因は大きく4つ
・肺胞低換気(PaO₂↓、PaCO₂↑)
・右→左シャント(肺胞毛細血管に血液が流れない)
・拡散障害(拡散面積↓、拡散距離↑)
・換気血流比不均等(換気>血流…肺塞栓、換気<血流…無気肺)
・Ⅰ型呼吸不全(PaCO₂≦45Torr)
→右→左シャント、拡散障害、換気血流比不均等
・Ⅱ型呼吸不全(PaCO₂>45Torr)
→肺胞低換気
・AaDO₂=PAO₂(肺胞の酸素分圧)ーPaO₂…正常値:15Torr以下
・Ⅰ型呼吸不全…AaDO₂開大
・Ⅱ型呼吸不全…AaDO₂正常
・COPD(Ⅱ型の例外)…AaDO₂開大
・呼吸器感染症
・急性上気道炎(かぜ症候群)…アデノウイルス、ライノウイルス
・気管支炎、肺炎…炎症反応、喀痰検査で起炎菌検出
・肺結核…結核菌(空気感染)
・微熱、喀痰、全身倦怠感(数か月程度くすぶった症状)
・乾酪壊死像(空洞化+ラングハンス巨細胞)
・2類感染症→保健所を通じて都道府県知事にい届け出る
略記 | 薬剤名 | 副作用 |
---|---|---|
INH | イソニアジド | 肝障害、末梢神経障害 |
RFP | リファンピシン | 肝障害 |
EB | エタンブトール | 球後視神経炎 |
PZA | ピラジナミド | 肝障害、高尿酸血症 |
SM | ストレプトマイシン | 腎障害、Ⅷ(内耳)神経障害 |

結核の治療薬はCBTによく出ます!
名前と副作用はセットで覚えましょう!
・閉塞性障害…気道の閉塞により息が吐けないこと
→FEV1.0%=FEV1.0(1秒率)/FVC(努力肺活量)×100[%]
→FEV1.0%<70%なら閉塞性換気障害
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)…有害物質曝露による肺の不可逆性障害
・末梢気道と肺胞どちらも障害される
・肺胞壁の破壊→ブラの形成→拡散障害(DLCO↓)
・滴状心、横隔膜平坦化
・口すぼめ呼吸
・気管支喘息
・Ⅰ型アレルギーによる可逆性の気管支狭窄
・夕方~夜間に増悪
・喘鳴(wheezes)
発作時 | 短時間作用型β2刺激薬吸入 |
---|---|
非発作時 | 吸入ステロイド |

アンカードラッグとは、治療の中心となり、頼りになる強力な薬剤のことです。
・拘束性障害…呼吸筋麻痺や肺コンプライアンスの低下により充分に息が吸えないこと
・間質性肺炎
・肺胞壁の肥厚により、肺コンプライアンス↓
→肺が充分に膨らまない
・原因は多岐にわたる
・fine crackles(捻髪音)
・拡散障害(DLCO↓)
・乾性咳嗽
・炎症マーカー+特異的マーカー(KL-6、SP-A、SP-D)
・CT…すりガラス影、蜂巣肺
・肺循環障害
・肺性心
・慢性的な酸素欠乏により慢性的に肺血管収縮
→肺血流↓
→右心系うっ血(右心不全)
・急性呼吸促拍症候群(ARDS)…非心原性肺水腫による呼吸不全
・刺激により炎症性サイトカイン放出
→血管透過性亢進
→肺水腫(呼吸不全)
・coarse crackles(水泡音)&fine crackles(捻髪音)
・肺血栓塞栓症…下肢静脈血栓が飛んで肺動脈に詰まる
・PaO₂↓
→代償性過換気(換気量↑)
→PaCO₂↓
・免疫学的機序による肺疾患
・過敏性肺炎…種々の抗原に対するⅢ、Ⅳ型アレルギー
・IgG高値
・非乾酪性肉芽腫
・ツベルクリン反応陰転化
・BALF…リンパ球増加(CD8>CD4)
・サルコイドーシス…原因不明の全身性疾患
・Ca↑、血清ACE↑
・非乾酪性肉芽腫
・ツベルクリン反応陰転化
・BALF…リンパ球増加(CD4>CD8)
・肺癌
・原発性肺癌…大きく4種類
・腺癌は特殊(肺末梢部に好発、喫煙との関連低い、胸膜陥凹、spicula)
・転移性肺癌
・全身の腫瘍が肺に転移しうる
ー | 頻度 | 腫瘍マーカー | ホルモン分泌 |
---|---|---|---|
腺癌 | 50% | CEA、SLX | ー |
扁平上皮癌 | 30% | SCC、CYFRA | PTHrP |
小細胞癌 | 15% | NSE、ProGRP | ACTH、ADH |
大細胞癌 | 5% | ー | hCG |

原発性肺癌は腫瘍マーカーとホルモン分泌で鑑別可能!
・異常呼吸
・過換気症候群…精神的ストレスによる換気中枢の異常亢進
・呼吸不全を伴わない呼吸困難
・テタニー(低Ca)症状
・気管支拡張症とその他肺疾患
・気管支拡張症…気管支が拡張しているものすべて
・大量の喀痰、coarse crackles
・閉塞性障害(痰が気管支に詰まる)
・治療…去痰薬、体位ドレナージ、マクロライド少量持続投与
・無気肺…気道の閉塞による肺の虚脱
・X線…楔状陰影
・全無気肺…中枢側の気管閉塞
→患側肺がX線で白く写る
→健側肺の代償性過膨張
→患側への縦隔偏位
・新生児呼吸促拍症候群…早産児の肺サーファクタント不足
・マイクロバブルテスト→サーファクタント量減少の証明
・人工換気、サーファクタント補充療法
・胸膜、縦隔疾患
・胸膜炎
・深吸気時に増悪する胸痛
・乾性咳嗽
・滲出性胸水貯留
・気胸…肺が破れることで胸腔内圧陽性化→肺の虚脱
・胸腔ドレナージ
・縦隔腫瘍
・上縦隔、前縦隔、中縦隔、後縦隔の4区域に分けられる
上縦隔、前縦隔 | 奇形腫、甲状腺腫、胸腺腫 |
---|---|
中縦隔 | 心膜嚢胞、気管支嚢胞 |
後縦隔 | 消化管嚢胞、神経原性腫瘍 |

上縦隔、前縦隔の3疾患は3Tで覚えよう!
奇形腫(Teratoma)
甲状腺腫(Thyroidoma)
胸腺腫(Thymoma)
復習クイズ
CBT対策なので、CBTに寄せて問題を作りたいなと思っていますが、なかなか難しいです・・・
さてさて、今回は5問です!いきますよー
右肺の背側にある肺葉の区域は何番か
喉頭閉塞による喘鳴は吸気時、呼気時どちらで聴取されるか
副作用として高尿酸血症をきたす可能性のある結核の治療薬の名前を答えよ
7月中旬、木造家屋に住んでいる高齢男性が発熱と乾性咳嗽で来院した。採血検査でIgG抗体陽性であった。この男性の疾患は何であると推測されるか
気胸と緊張性気胸の違いとは何か
最後に
これからもこのような形で自分の勉強記録を更新していきますので、応援よろしくお願いします!
各検査の正常値、疾患の治療薬、疾患特異的なマーカーなど、覚えることは山ほどあります。語呂合わせなどを活用しながらしっかり身に着けていきましょう!
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今回はここまでです。これからもよろしくお願いします!
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